2002年度
第2回特別公開講座「薪能」
第一夜 狂言講座「養毛仙人」舞台秘話
【日時】2002 年 10 月 8 日(火曜日)開場 午後 6 時半 開演 午後 7 時
【会場】講堂
【講師】井上祐一(和泉流狂言師)
第二夜 能楽講座「屋島」解説
【日時】2002 年 10 月 9 日(水曜日)開場 午後 6 時半 開演 午後 7 時
【会場】講堂
【講師】梅若猶彦(芸術文化学科助教授)
第三夜 新作狂言:「養毛仙人」 能:「屋島」
【日時】2002 年 10 月 10 日(木曜日)開場 午後 5 時 開演 午後 6 時
【会場】出会いの広場
【出演】新作狂言「養毛仙人」:井上祐一 他、能「屋島」:梅若猶彦 他
新作狂言
「養毛仙人」
出演者:井上祐一 井上靖浩 佐藤融 佐藤友彦
演出・加筆・主演:井上祐一
脚本:安藤楼蘭(芸術文化学科 3 年)
脚本参与・演出助手:左口歩(芸術文化学科 1 年)
原作:梅若猶彦
(あらすじ) この物語は夫婦喧嘩から始まる。恐妻家である禿男は家出を決意する。その男の名は太郎という。男はふと、噂で聞いていた山奥に住む養毛の仙人のことを思い出し、豊かな髪を取り戻すことを夢みて、仙人に会うため山深く分け入る。日暮れになり、偶然仙人の住処に行きついた男は仙人に謁見し、養毛の修業を決心する。仙人は男に30年かかる難行苦行の修業よりも、一晩で効果が出る神楽舞を勧める。男は舞を仙人に習い始める。男は目を覚まし、全て夢かと思ったが、髪の毛がフサフサになっていることに気づく。そして喜んで元の家に帰るのだが、そこには自分の家が無かった。通りすがりの人に聞くと、昔、太郎という人が夫婦で住んでいたのだが、30年前に亭主が家出をして、その妻や子は程なくして亡くなったというのだ。
(あらすじ)
旅の僧が屋島の浦へ赴くと老人と若者の二人の漁夫に会い、塩屋に泊めてもらう。老人は僧に求められて、源平の屋島の戦の話をする。それは、義経の勇姿、悪七兵衛景清と三保谷四郎の錣引きの力競べ、主人をかばって死んだ佐藤継信と菊王などの話であった。語り終わった老人は、自分が義経であるとほのめかして消える。僧は、帰宅した塩屋の本当の持ち主から、老人は幽霊であろうと告げられる。そして、主人は弓の名人の那須与一について語る。夜半過ぎに義経の霊が現れ、屋島の戦のさまを語る。義経は戦いの最中弓を海に落としたが、弱い弓であることを敵に知られないために、危険を冒して取り返したという。そのうちに修羅道の責め苦である戦いのときになり、義経は平教経との戦いを見せると、夜明けとともに消え去った。
能 「屋島」
出演者:梅若猶彦 宝生閑