2001年度

第1回特別公開講座「薪能」
第一夜 能講座「初めて能に触れる人のために」
【日時】2001 年 10 月 17 日(水曜日)開場 午後 6 時半 開演 午後 7 時
【会場】講堂
【講師】梅若猶彦(芸術文化学科助教授)
第二夜 能講座「さらに能の知識を深めるために」
【日時】2001 年 10 月 18 日(木曜日)開場 午後 6 時半 開演 午後 7 時
【会場】講堂
【講師】梅若猶彦(芸術文化学科助教授)
第三夜 狂言:「仏師」 舞囃子:「融」 能:「船弁慶」
【日時】2001 年 10 月 19 日(金曜日)開場 午後 5 時 開演 午後 6 時
【会場】出会いの広場
狂言 「仏師」
出演者: 善竹十郎 善竹富太郎
(あらすじ)
立派な仏堂を建てた田舎に住む者が、そこへ納める仏像を求め都出へると、自らを真 仏師と名乗る都に住む者に声をかけられる。田舎に住む者は、都に住む者に仏像制作の 依頼をする。あまり長居はできない。そこで、手や髪など、あらかじめ作ってある部品 を組み立てるだけで、翌日には完成するものにした。
次の日、約束の時間になって、受け取り場所に出向くと、そこに仏像があった。まる で、本当に生きているように思え、試しに触れてみると、生暖かい感触があった。不審 に思った田舎者は、都に住む者を呼び、尋ねる。顔つきが気に入らない、手の汲み方が 気に入らない、などと田舎に住む者は何度も、仏像の手直しを頼む。最後に化けの皮が 剝がれてしまい、田舎の者は、都会の者に騙されていたことを見破ってしまう。
(あらすじ)
融の死後、廃園と化した六条河原院で、月より降り立った融の霊は旅の僧と出会う。 旅の僧に問われるままに、融は自分が大臣だった頃のことや、都の名所などを語る。やがて、融の霊はいつの間にか姿を消してしまう。
そして、旅の僧の夢の中で、かつてのりりしい姿である融大臣が現れ、月光に照らさ れた庭園で美しく舞う。やがて、夜が明けるとともに融の霊は昇天し、月の都へと帰っ て行く。
舞囃子「融」
出演者:梅若猶彦 柿原弘和 金春國和 幸正昭 藤田次郎
地謡:谷本健吾 長山桂三 小野里修 久田勘鴎 西村高夫
能 「船弁慶」
出演者:観世暁夫 柴田昴徳 宝生閑
囃子方:柿原弘和 金春國和 大日方寛 則久英志
間狂言:善竹十郎
後見 :岡田麗史 泉嘉夫 久田勘鴎
地謡 :野村昌司 柴田稔 浅見慈一 西村高夫 馬野正基 清水寛二 遠藤和久 小野里修
働 :長山桂三 谷本健吾
(あらすじ)
源頼朝と、義経の兄弟の仲が不和となり、義経は都を追われることになった。義経の 愛妾である静御前が義経を慕ってついてくるが、弁慶になだめられ、泣く泣く都へ戻る ことになる。船出の前の酒宴の席で、静は別離の悲しみと、義経の門出を祝福する気持 ちを込めた舞を舞う。
船出すると間もなく、義経一行に嵐が押し寄せる。やがて、海上に義経に滅ぼされた 平知盛の怨霊が現れ、義経に襲い掛かろうとする。義経は少しも動じることなく、知盛 の怨霊に刀を向ける。やがて、弁慶が数珠を手に取り、念じると知盛の亡霊は次第に遠 ざかっていき、辺りに静けさが戻る。